俺ガイル 6話  まとめ・感想・考察

第6話 ようやく彼と彼女の始まりが終わる。

まとめ

感想・考察

前回すれ違いを起こした八幡と結衣の仲直り回。

冒頭の八幡のモノローグの多さは問題ないと自分に言い聞かせているようにも聞こえる

ので八幡の中にも間違えたのではないかという迷いがあるのかもしれないと思った。

八幡は自分が間違っているかもしれないと思うときは理屈をこねてよく喋る傾向にある

気がする。

 

結衣が部室に来なくなったことを知った平塚先生が奉仕部にやってくるシーン。

「部員の補充」という言い方で、結衣との間に起きた問題を解決することを遠回しに八

幡たちに課している。

ここは言葉通りに受け取れば、新たな部員の確保に動く方が自然なので、この遠回しな

言い方も八幡たちがどんな選択をするのかをするのか実は試していたのではないかと思

った。あくまでも「生徒に決めさせる」という放任とも取れるが、生徒の成長を誰より

も考えている平塚先生ならではのやり方と感じた。

 

そして、結衣の誕生日プレゼントを買いに雪乃とのおでかけ。

小町も最初は一緒にいたが、雪乃と距離を詰めれるようにと小町の計らいにで2人きり

と、実質デート状態になった八幡と雪乃。

二人とも誰かと買い物に行くことが慣れておらずギクシャクした感じなのがまたいい。

そして、デート?中に雪乃の姉、陽乃が新たに登場。

明るく積極的に接してくる陽乃を見られる機会は今後減ってくるので、ある意味貴重。

 

そして週明けに結衣が奉仕部室にやってくる。

雪乃が間に入り、無事にすれ違いが解消できた八幡と結衣。

最後の雪乃のセリフ「始めることができるわ。あなたたちは。」の部分では倒置法が用

いられており、含みのある言い方になっているところも伏線になっているので注目して

いただきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

俺ガイル 5話  まとめ・感想・考察

第5話 またしても、彼は元来た道へ引き返す。

まとめ

アバン

教室で遅刻の言い訳をした結果、平塚先生に殴られ、床に倒れる八幡。

そこに新キャラ川崎紗希も遅刻して教室に入ってくる。

下から見えたパンツの色を呟いた八幡に呆れた川崎が自分の席についてOPに移る。

 

Aパート

予備校から出た八幡は、夏期講習のポスターを見ている川崎を見かける。

次にカフェに来た八幡は、偶然にも勉強会をしている雪乃、結衣、戸塚に遭遇。

そこに小町と同じ塾に通っている川崎大志の2人も偶然カフェに来た。

お互いの自己紹介が済んだところで、大志が姉の相談を始める。

相談内容は最近、帰りが遅くなって不良化?した姉がどうしたら以前の姉に戻るかとい

う内容だった。雪乃が奉仕部としてこの案件を引き受けることに。

はじめに、雪乃の提案で猫を拾わせて心優しい部分を引き出すという作戦を立てた

が、川崎は猫アレルギーだったため、作戦を変更。

次に戸塚の案で、大人である平塚先生の協力で更生させる作戦を立てたが、独身である

ことを川崎に言われ、先生が精神的ダメージをくらったため、作戦失敗。

そして、結衣は恋することで変わってもらう作戦を立て、葉山にも協力してもらい臨ん

だが、川崎の反応は淡白なもので全く効果がないため失敗に終わる。

そこに川崎へ変なお店から電話がかかってきたと大志を介して小町から伝えられる。

 

Bパート

どうやら川崎の元に、エンジェルと名の付くお店から連絡がきたらしい。

八幡が調べたところ、千葉市内でエンジェルと名のつく、朝方まで営業しているお店は

2店舗しかないらしく、まずは1つ目のメイドカフェに来た。

八幡がメイドカフェに詳しい材木座を呼び、入店したが、川崎の働いている様子はなか

ったため、2つ目のお店に行くことに。

2つ目はドレスコードがいるホテルのバー。そこには働いている川崎の姿があった。

朝方まで働くことを辞めるように説得をしたが、応じる様子がないため、八幡は改めて

川崎に話をすることを伝えて店を後にした。

場所は飲食店に変わり、奉仕部3人に加え、大志と小町も参加し、川崎も合流。

八幡の推測通り、川崎の働く理由は、家族に迷惑をかけずに自身が予備校に通うための

資金調達だった。

家族の迷惑になりたくないのは下の子も同じだという意見を小町は伝え、八幡は自身の

錬金術?であるスカラシップ制度を川崎に教えることで一件落着。

帰り際に小町から、入学式の日に助けた犬の飼い主が結衣であるという事実を知り、

動揺する八幡。

場面は移り、職場見学が終わったシーン。八幡を待っていたと駆け寄ってくる結衣。

しかし、八幡は結衣が気を遣って今まで自分に関わっていると思い、同情をやめるよう

に突き放す。その言葉にショックを受け、その場を離れる結衣。

そして八幡の長い独白が終わり、元来た道を振り返る結衣の姿でED(結衣バラード

ver.)に移る。

 

 

感想・考察

この話は1期俺ガイル前半の最大の見どころ。

まずは新キャラの川崎紗希が登場!

不良キャラかと思われたが、実は家族思いの優しい女の子でした。

作戦に協力という形で、話の邪魔にならずに各既出キャラを出演させ、キャラの個性を

出して印象づけも平行して行っている渡先生すごい。。

最初のスカラシップの伏線もバッチリ回収していて話が綺麗にまとまっている印象。

小町の真面目に話した後の照れ隠しをする八幡そっくりなところは兄妹だなと思う。

 

そして八幡が入学式の日に助けた犬の飼い主が実は結衣だったことがついに判明!

結衣が自己紹介した後の小町が怪訝な反応をした理由がわかりましたね。

普通の物語ならここからヒロインとの距離がさらに縮まっていくのだが、サブタイトル

の通り、自ら遠ざかって元来た道を戻るというところに俺ガイルらしさが出ている。

なかなかラブコメになっていかない歯痒いこの展開こそが俺ガイルなのだ。

たくさんの失敗をして何度も勘違いをしてきた八幡だからこそ、結衣の行動は自分に同

情したものだと過去の経験によるバイアスがかかり、結果また勘違いをしている。

結衣も一度は受け流そうとしたのだが、八幡から突き放された言葉のショックが大きす

ぎるあまり耐えきれなかった。そして走り去った後、ラストシーンのところで振り返っ

たが、八幡は追いかけてきてくれなかった。儚げな表情を浮かべている結衣のカットで

5話が終了。

普通のラブコメで終わらない、終わらせないところが俺ガイルの真骨頂だと感じる。

 

八幡はひねくれている故に逆説を多用することが多い。真実は残酷なら〜のくだりは、

いつぞやの数学の授業で習った「逆、裏、対偶」を思い出す表現の仕方だった。

全く関係ないが、黒子のバスケのあのOP曲を聞いた時、ここから引っ張ってきたのでは

と思うほど歌詞が似ているので是非調べていただきたい。

個人的には、渡先生のいつだって期待して〜のくだりの部分の似ているようで意味が全

然違う言葉の3連続はすごい好き。(語彙力)

今後も同じようなパターンでいくつか出てくるので是非、注目していただきたい。

 

また、今回も各ヒロイン(戸塚?)のメイド姿をしっかり出すことで男性視聴者へのご

褒美も忘れていないところもさすがだ。

 

そして、雪乃は一人暮らしで高級なドレスが何着もあることや、父親が県議会議員であ

るなど家柄が良さそうということが新たにわかった。今後の話にも関わってくる重

要な設定になるので忘れずに覚えていただきたい。

 

今回の一件の勝敗に関してだが、川崎の働く理由を言い当て、川崎が深夜まで働く問題

の解決策まで提示できた八幡の勝利だろう。

雪乃の案は猫と触れ合いたさすぎて、解決には遠い案でらしくないようにも感じ

る。(これは猫好き設定と可愛い一面を認知してもらうためのものと思うが、、)

 

余談になるが、この回のキャラデザが普段と違いすぎて違和感が半端ない。

雪乃や結衣の顔が全然チガウ。

                                     以上

 

俺ガイル 4話  まとめ・感想・考察

 

第4話 つまり、彼は友達が少ない。 

まとめ

アバン

4話は八幡の自宅のシーンから始まる。

朝食を摂りながら新たに登場した妹の小町とたわいもない会話をした後、

自転車の二人乗りで小町を学校に送ろうとする八幡。

後ろに乗った小町は今度は事故をしないようにと忠告する。

回想に移り、入学式の日、八幡は車に轢かれそうな犬を助けた代わりに事故に遭って入

院していたことが明らかに。

助けた犬の飼い主は八幡と同じ総武高校の人で、今度会ったらお礼を言うと小町に言っ

ていたらしいが、その後お礼を言われた覚えは八幡にはない様子。

小町を学校に送り届け、自分も学校に向かおうとした八幡だったが、

鞄を自転車に置き忘れ、半泣きで取りに戻ってくる小町の姿でOPに移る。

 

Aパート

職場見学の希望調査で自宅を挙げたことで、平塚先生から呼び出しと拳をくらう八幡。

職員室を後にした八幡はいつもより遅れて奉仕部の部室に到着。

入れ違いで八幡を探しに出ていた結衣が戻ってきて、連絡先の交換を提案する。

メールの話題になり、八幡の悲しい過去がまた一つ明らかになったところで、

結衣のもとに一通のメールが届き、葉山が奉仕部に依頼をしに訪れた。

依頼内容は、結衣に届いたチェーンメールと同じもので、友達が受けている誹謗中傷を

やめさせたいというものだった。

雪乃は自身の実体験から、犯人を探して事態の収集を図ると依頼を引き受ける。

送られたメールの時期から、原因は職場見にあると八幡は推測。

その推測に結衣が後押しをして、Aパートは終了。

 

Bパート

職場見学は3人一組のグループで行うため、誹謗中傷を受けた葉山グループの3人が怪し

いと話は進む。葉山は3人の長所を挙げながら一人ずつ紹介をするが、葉山の話だけで

は犯人を特定できず、クラスメートである結衣と八幡に雪乃は3人の調査を依頼する。

結衣は仲のいい女子に聞く作戦を立てたが、有力な情報を得ることはできなかった。

次に八幡は会話をせずにただ観察することで、調査すべく作戦を立案。

観察中、戸塚と職場見学の話になり、「八幡」と戸塚からの呼ばれ方がここで変わる。

そこに葉山が調査の進捗を聞きに八幡のもとへ来たことで、八幡は葉山グループの3人が

葉山以外と話してないことに気づく。

場面は変わり、奉仕部の部室。雪乃、結衣、葉山に八幡は一連の原因は葉山にあると

話し、葉山を他の3人とグループを組ませない手法をとることで解決に導いた。

あぶれた葉山と八幡、そして八幡とグループを組むことを決めていた戸塚の3人でグルー

プを結成。

しかし、葉山の人気さから押し出されてフレームアウトする八幡らしい絵で終わる。

屋上で一人佇む青髪の女生徒の姿が映ったところでEDに入る。

 

感想・考察

ついに妹の小町が初登場。八幡が事故にあったことの詳細が明らかになったが、

助けた犬の飼い主については明らかにされていない。

Aパートの見どころは雪乃、結衣、八幡の会話劇だろう。

お決まりの八幡の悲しい過去の話や雪乃からの鋭い指摘はいつものこと、結衣も部員に

なったことで会話の雰囲気を掴んできたか、以前より自然に2人の会話に入れている。

気になる点としては、雪乃の葉山に対する接し方だ。特段、関わりがある二人ではな

いはずだが、なぜか雪乃は刺々しく接する。二人の間に何があったのか。

また、今回の話の題材となった「チェーンメール」も10年前くらいにはあったものの、

今となってはほとんど聞かないため、年齢によっては、知らない世代の視聴者もおそら

くいるだろう。使用している携帯もガラケーで俺ガイル無印が作られた時代を感じる。

 

Bパートの見どころとしては、やはり八幡の原因究明と解決の手段であろう。

依頼者である葉山も頭が回るため、原因に気づけそうなものと思うが、原因が自身にあ

ることと、友達の良い部分しか見ていない視野の狭さで、本質に気づけないでいた。

しかし、八幡は粗探しは得意と自分でも言うように、人の嫌なところに気が付く。

葉山グループの3人のことをよく知らないということも奏し、バイアスがない状態で観

察できたからこそ、今回の問題の本質に気づけたのではないだろうか。

「人は見たいものを見る」という言葉があるように葉山も八幡も見方が違い、今回は八

幡が見たいものがたまたま問題の本質だったということにすぎないようにも思える。

そう考えると、この時から八幡と葉山の対立構造を描き始めているのかもしれない。

そして、地味に気づきにくいが、海老名さんの腐女子キャラが今回初出しである。

話の流れ的に不自然にならないよう、サブキャラの紹介もサラッと出せる渡先生の

構成力にも注目したい。その他にも、三浦が友達のことを悪くいうのは良くないと言う

場面や、戸塚からの呼び方が変わって距離が縮まる場面など、今後の話の展開に向けて

種を撒いているのかのようだ。

 

また、今回の依頼では、クラスメートというアドバンテージがあるが、観察力に長けた

八幡の活躍により、問題が解決されたため、八幡の勝利と考える。

                                     以上

俺ガイル 3話  まとめ・感想・考察

第3話 たまにラブコメの神様はいいことをする。

まとめ

アバン

体育の授業でテニスをするシーンから始まる。

編み出したぼっち処世術で、一人壁打ちをする八幡。

葉山たちリア充グループから名前を覚えられていなかった事実を知り、

暗くなりそうな気持ちをボールにぶつける。しかしボールは跳ね返って自分でくらう。

 

Aパート

とある日の昼休み、八幡はお気に入りのベストプレイスで一人昼食を摂る。

そこに雪乃とのじゃんけんで負けてジュースを買いにきた結衣と遭遇。

たわいもないやりとりを交えつつ、話題は入学式の話に。

ここで、八幡の口から入学式当日、交通事故に遭っていたことが明かされる。

その話について、問いかけようとした結衣だが、

そこにテニスの練習をしていたクラスメイトの戸塚彩加が登場。

可愛すぎる見た目に反して、なんと戸塚は男子だった。。

場面は変わり、再び、体育の授業でテニスの時間。

いつもペアを組んでいる子が休みらしく、戸塚と二人でラリーをする八幡。

そこで、戸塚からテニス部に入ってくれないかと相談を受ける。

場面は切り替わり、奉仕部の部室。戸塚からテニス部に誘われたことについて、

集団活動ができない八幡には無理と言い放つ雪乃。

いつもの高レベルの舌戦を繰り広げたところで、結衣と戸塚が部室に来た。

どうやら結衣の紹介で、戸塚は奉仕部へと依頼をしにきたようだ。

依頼内容は「部員のやる気を出すために上手くなりたい」とのこと。

戸塚の真剣な思いに応えるため、奉仕部で戸塚の練習に付き合うことに。

同時に、このタイミングで結衣が正式に奉仕部の部員となった。

 

Bパート

テニスコートで練習している戸塚と、それを手伝う奉仕部一同。

戸塚が軽い怪我をしたが、まだ練習は続行すると意思を伝えた。

それを聞いた雪乃は結衣たちに任せてなぜかその場を離れる。

そこに三浦たちリア充グループが現れた。勝手にもテニスしたいと、言い出す三浦。

いざこざの末、葉山の提案によりテニスコートを賭けてなぜか混合ダブルスの勝負に。

葉山・三浦ペアが想像以上に強く、八幡・結衣ペアは苦戦を強いられる。

途中、結衣が足を負傷し、続行不能のため、コートを離れる。

ペアがいなくなり、八幡が諦めかけたところにテニスウェアを着た雪乃が登場。

彼女は戸塚の怪我の治療のため、保健室に向かっていたのだった。

そして、結衣にお願いされ、渋りながらも代役として雪乃が参戦。

雪乃の脅威的なプレーで形勢は一気に逆転。

そして、ぼっち経験を生かした八幡の特殊サーブで奉仕部側の勝利で終わる。

しかし、怪我をしそうな三浦を助けた葉山への歓声で、試合を決めた八幡の活躍には誰

も注目せず、悲しく終わったのだった。

最後は、八幡が結衣たちの着替え中に遭遇するラブコメお約束の展開で終幕。

 

感想・考察

3話は、スポーツ回ということもあって、全体的にアニメらしい動きのある絵が多い話

だった。外のシーンが多いため、俺ガイルにしては明るい絵が多い印象。

Aパートのポイントは、以下の3点。

①戸塚の初登場 ②入学式の日に事故に遭っていた八幡 ③結衣が奉仕部へ入部

ブコメらしいヒロイン?の登場で、視聴者の心は浄化されたであろう。

素直でいい子な男子という戸塚のキャラは、八幡に対する態度が今まででのどの人とも

違うため、八幡は接し方に困惑しながらも戸塚に好意がある様子。

戸塚の登場で話が遮られたが、八幡が入学式の日に事故に遭っていたことを明かすシー

ンもこの話の重要ポイントである。不自然に入学式の話を振った結衣に対して、

事故にあったことを話す八幡。しかし、結衣に驚いた様子はないため、彼女は何か知っ

ていると見受けられる。

また、特に重要ではないが、奉仕部の扉の上の札にシールが2枚貼られているのも確認

できた。

 

Bパートは葉山・三浦ペアとのテニス対決がメインの見どころだが、要所で重要シーン

もある。

1つ目は、雪乃が結衣のお願いを受け入れ、結衣を「友達」と言いかけたシーン。

今まで彼女に友達と呼べる人物はいなかったはずだが、僅かながら変化が見えてきた。

2つ目は、結衣が三浦に対して、敵対する行動をとったシーン。戸塚や奉仕部のためと

理由はあるが、今までの彼女なら三浦に対して敵対する行動は取らなかった。しかし、

雪乃や八幡と関わることで、感化されたところがあるのかもしれない。結衣にも少し変

化が見られた場面だった。

また、雪乃が話の流れで自然に自身を「虚言を吐いたことがない」と言っている。

これは、この物語の後半の話に大きく関わってくる重要シーンなので、ぜひ覚えておい

ていただきたい。さすが、渡先生。既にここから伏線を入れてきていた。

試合を決めた八幡の特殊なサーブも、Aパート冒頭の八幡のひとり語りから伏線回収を

している。単体の話としても綺麗にまとめる渡先生の構成には圧巻だ。

 

 

 

 

俺ガイル 2話  まとめ・感想・考察

第2話 きっと、誰しも等し並みに悩みを抱えている

まとめ

アバン 

第2話も八幡の捻くれたモノローグから始まる。

そのモノローグ中、映されている教室内の様子から、クラス内でヒエラルキーが存在していることがわかる。

このクラスのリア充たちのように、群れることは個に対して益をもたらさない「悪」だと、八幡はこのモノローグで論じている。

 

Aパート

冒頭の捻くれたモノローグを課題の作文として提出したことで、またも平塚先生に呼び出される八幡。

お説教ついでに、雪乃についてどう思うか問われ、嫌なやつと答える八幡。

平塚先生は、雪乃はその正しさゆえ、周囲と適合できずに苦労しているが、本当は優しい子であると八幡に伝える。

しかし、その話を聞いても、今はまだしっくりきていない様子の八幡。

 

そして、場面は切り替わり、とある日の昼休みの教室。

お気に入りのベストプレイスが、雨で行けないため、仕方なく教室で携帯片手に一人で昼食をとる八幡。

雪乃と二人でお弁当を食べる約束をしていた結衣は、空気を読んで周囲に合わせる性格のせいか、なかなかそのことを仲間に言い出せずにいた。

その煮え切らない態度にリーダー格である三浦が不満を漏らし、険悪な空気に。

そこで八幡が立ち上がり、三浦を注意しようとするが、クラスの女王様であるオーラに負けてしまう。

そこに、約束の時間を過ぎても待ち合わせの場所に来ない結衣の様子を見にきた雪乃が登場。

結衣に一方的に意見を押し付けていた三浦に対して雪乃は遠慮なく思ったことをぶつけていく。もう少しで喧嘩になりそうなところを葉山が仲裁に入り、雪乃は結衣に先に行くと言い残し、教室を後にする。

自分の考えをストレートに言う雪乃を見て、結衣は勇気を出して、拙くも正直な気持ちを三浦に打ち明け、三浦の怒りも収まり一件落着。

最後に、自分を助けようと行動した八幡に、結衣は感謝の気持ちと、同時に遠慮なく本音をぶつけた。 

 

Bパート 

ある日の放課後、奉仕部の部室へと向かった八幡は、扉の外から部室内を伺う雪乃と、結衣の姿を見つける。

どうしたのか尋ねると、どうやら部室内に不審人物がいるとのこと。

八幡がドアを開けると、そこには冬でもないのに、指ぬきグローブをはめ、コートを着た男がいた。

自らを剣豪将軍と名乗る彼、材木座義輝は中二病であり、彼の奇怪な言動に結衣、雪乃もドン引き。

そんな彼の依頼は、「作品を応募するため、自作のライトノベルの感想がほしい」とのこと。雪乃はこれを引き受け、次の日、感想を発表することに。

結果は散々で、ダメ出しを食らいまくる材木座

それでも材木座は、自分の書き上げたものに対して感想をもらうことに喜びを感じているようで、作品を作る作家としての楽しさを知り、これからの道を見つけた様子。

今回の依頼も、本人が納得したため、一件落着。

後日、体育の時間で再びペアになっている八幡と材木座。今回の一件を通して、会話は前よりもするようになった様子。

そして、そんな二人を見ているこの美少女?は...

 

感想・考察

前半の教室のやりとりは現実でも割とありがちな出来事かと思われます。

周囲に合わせなくてはと、なかなか自分の意見を言えずにいた経験を持つ人も共感するところは多いのではないでしょうか。

ああいう空気で自分の意見をスパッと言える雪乃、かっこいいですよね。

ただかっこいいだけでなく、結衣が三浦に本当の気持ちを言えるかを雪乃が見守っているシーンでは、言葉には出さない雪乃らしい優しさも出ています。

実はこれ、冒頭の八幡と平塚先生の会話が軽い伏線だったと、後になって気づきました。

 

そして、次に注目すべきはこの部分。

なかなか三浦に本音を言えずにいた結衣だったけど、八幡には遠慮なく罵倒している。

「少しは遠慮しろよ」と言う八幡に対し、結衣は「今更遠慮するわけないでしょ?誰のせいだと思っているの、バカ。」と返す。

八幡は、物怖じせず、本音を言う雪乃の姿を見て、結衣が影響を受けたものだと当然のように思っています。

しかし、結衣は雪乃だけでなく、八幡からの影響も受けているのだが、この時の八幡は、結衣が変わったことに自分が関わっているとは微塵も思っていない様子。

その証拠に「誰って、雪ノ下だよな?」と最後に独白。

つまり、この時の八幡のモノローグはまちがえていることがわかります。自分の言動、行動に影響を受けて結衣に気づいていないなど、まだまだ八幡は結衣を理解できていません。

 

そしてBパートではアニメのキャラクターらしい中二病材木座が登場。

会話劇が中心でキャラクターの動きの幅が少ない俺ガイルなので、中二病という動きに制限がない材木座のキャラは魅力的に感じますね。

材木座や過去の八幡の中二病っぷりに、ご自分の黒歴史を思い出した人も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。(もちろん自分もです。)

 

材木座ライトノベルの評論会では、雪乃は文章の構成などの真っ当な指摘、八幡は誰のパクリか?という捻くれた指摘、結衣はそもそも読んでいないと、3人の性格が出ており、視聴者も3人のキャラクターをこの時点で掴めたと思います。

Bパートは中二病材木座の登場回ということで、バトルものでないのに、やたら謎の光エフェクトや背景効果が出てた気がします。(多分、もう二度とでない)

 

2話のまとめとして、前半が『空気を読む』、後半が『中二病』という視聴者が、あるあると、共感しやすいテーマを使ってるのがさすが渡先生と思いました。

俺ガイル 1話  まとめ・感想・考察

第1話 こうして彼らのまちがった青春が始まる。 

感想・解説・考察

Aパートは八幡、雪乃のキャラクター性を前面に出して、視聴者にどんなお話かを理

解、把握してもらうことを目的とした、皮肉を交えた会話劇がメイン。

一見、仲が悪そうに見えるけど、2人がイキイキしていて、実は息ぴったしなんだよ

なぁ。

何度か見返して気づいたが、実は八幡のトラウマ回想シーンがこの1話に3つもある。

これは、ぼっちあるあるを1話から全面的に出すことでターゲット層である非リア充

の心をがっちり掴み、「1話だけ見る」ことを防止するためのエンターテインメントを

よく知る渡先生の手法なのかも知れない。実際、自分もその手法で一気に引き込まれま

した。はい。

 

そして、Aパート最後の八幡のやたら長いモノローグ、あえて、ここでは論じることをし

ないが、12話のラストを見た後にもう一度このシーンを見返して、対比してみていただ

きたい。1話と12話で言っていることが真逆になっているところと、同じところがあ

り、それぞれに付与されている意味合い、口調、表情もまた違うのである。

この違いに気づいたあなたはもう俺ガイルマスターだ。たぶん、知らんけど。

 

そして後半のBパート。奉仕部へ新たな依頼人由比ヶ浜結衣が登場。

彼女の依頼は『手作りクッキーを食べてもらいたい人がいる。でも自信がないから手伝ってほしい』とのこと。

そこで家庭

文字起こししてみないと意外と気づかないものだが、結衣は、クッキーを上手に作るために手伝って欲しいとは一言も言っていないのである。

1話目からさらりとミスリードの誘導をかましてくる渡先生、油断ならない。

 

依頼内容の自信がないという点については、

・クッキーを上手に作る自信がない

・喜んでもらえる自信がない

・上手に渡す自信がない

およそこの三つと考えられる。

 

そんな依頼に解決案として、   

雪乃は上手なクッキーの作り方を教える

八幡は手作りクッキーの本質を教える

互いに間違っていないが異なる二人らしい解決方法を提示した。

 

ここでそもそもなぜ結衣はこのような依頼をしてきたかを考察してみる。

当たり前なのだが、結衣は手作りクッキーを食べてもらう人に好意があり、その人と親しくなりたいがために依頼をした。

この時点で断定はできないが、彼女の言動や仕草からその人物は八幡だと思れる。

そして、彼の好みの「手作りクッキー」を知れたため、結衣の悩みは解決し、無事に手作りクッキーを渡すことができた。

 

そして依頼の勝負云々についてだが、雪乃案の努力による技術向上ではなく、気持ちがこもっているものならそれで良いという八幡案を結衣は採用したので、この依頼は八幡の勝利ということになる。

まぁある意味、八幡の意見が結衣にとっての正解でもあるので、この勝利は必然であるとも言える。